七輪のこだわり 5 海老の種類
今まで何も考えずにただ美味い、好きだと食べていた海老。七輪で焼いて食べると種類の違いに黙っていられなくなる。刺身より、七輪で焼くことで味に違いが大きく左右されるので、面白くて拘らずにはいられないのだ。
バナメイエビ
よく出まわっていて、海老のなかでは安価。とはいえさすがは海老、そんなに安くはない。プリプリとした食感で食べ応えがあるが、味について海老の風味や甘みは弱い。エビチリとか調理して食べるには最適だと思う。
クルマエビ
僕を海老に拘らせたきっかけはコイツ。生きているクルマエビを高価だが買って焼いて食べた時の衝撃は今でも忘れない。固くてプリっとした歯触り、栗のようにまとわりつく甘み、ほのかに当たり障りのない海老の風味に塩なんていらない。しかし、冷凍して解凍したり死んで時間が経つことで著しく味が落ちるので鮮度が命。
ヨシエビ
10脚目クルマエビ科に分類されるクルマエビの仲間。愛知県の三河湾でとれるが、ローカルな海老であまり全国では流通していないエビ。価格はクルマエビまではいかないが高価。そして、クルマエビまではいかないが歯ごたえ、エビの旨みがリッチ。バナメイエビなど普通のエビと比較してみると良さが分かると思う。刺身でも美味しいのが良いところ。
アカザエビ
深海に生きる海生ザリガニ類、ハサミがある。ごつごつしてイケメン!海外では「スキャンピ」と呼ばれ、日本では他に「テナガエビ」とも呼ばれる。高価な海老で流通もなかなか困難。殻が固くて素手では厳しいが、味はみずみずしくジューシーで海老のエキスが口の中に広がる。
シロエビ
小ぶりだがこいつも高級な海老。煎餅に使用される赤海老よりも、繊細な海老の風味がお酒のつまみになる。小ぶりだが、殻ごと全身食べるので剥いて食べる海老よりも殻の香ばしさを楽しめる。
アマエビ
小ぶりな2匹がシャリ(お米)に乗っている寿司はお馴染み。みずみずしいお刺身のとおり、焼いてもみずみずしく甘みもあるが、食感が柔らかく身も縮むので食べ応えが寂しいので、アマエビは生に限る。
ブラックライガー
クルマエビの仲間で、最初は黒いが、焼くと綺麗なピンク色に。肉厚があってバナメイエビより食感が優れている。食べ応えがある海老だが、食材の味を楽しむにはエビフライが向いている。
シータイガー
別名「皇帝エビ」。実は、ブラックタイガーと全く同じエビである。違いは東南アジアの汽水域で養殖されるブラックタイガーの、天然海水育ちがこいつである。
天然だからこそサイズも大きく、味も濃厚で触感も豪快だが、値段が高い。冷凍でしか売っているのは見たことないが、動いているところから〆て食べてみたいものだ。
アルゼンチンアカエビ
お刺身で食べるのが一般的な大きい海老、個人的には焼きがおすすめ。お刺身ではみずみずしく柔らかい食感だけに焼くと多少縮んでしまうが、もとがボリュームがあるために満足できる。焼くことによって海老の風味と塩気と甘みのバランスがよく値段も比較的にリーズナブルで万人ウケするだろう。
ボタンエビ
お刺身て圧倒的な甘みをみせるボタンエビは、焼くと身が極端に縮んでしまい、焼いたアマエビのようになっていしまう。おいしいが、ボタンエビはお刺身一択でよいだろう。
オオウチワエビ
表は虫、裏はエイリアンのようなインパクトある海老。なかなか出回っておらず味も格別ながら立派な高級食材。お刺身が美味しいらしいが、焼きでも最高の味だった。塩気の高い海老の味、見かけによらず生臭くない繊細な海老の風味。安易に興味本位で買って食べる人には衝撃を与えるだろう。
最後に・・・海老の頭は捨てるな
海老の頭は捨てるものだと勘違いをしてはいけない。面倒くさいと言ってしまえば仕方ないが、味噌汁にしてもよし、フライパンで潰して煎餅のように食べてもよし、揚げてもよし、炭火でカリカリに焼いて塩を振るともう最高のお酒のおつまみになる。