七輪のこだわり 2 貝類との相性が抜群な理由とコツ

七輪の素材でこうまで貝類との相性が良いのかを自分なりに振り返る。まずはビジュアル、七輪だけではなく、炭火、つまり網の上での映え。なんでこんなに映えるのだろうと理由までは考えたことがなかった。結論だが、「厚み」だ。干物やバラ肉は網の上で薄いので網と同期してしまう。焼きやすさ、火の通りは良いが、厚みがある方がなんか美しいのは人間の感性なのか、厚いほうがボリューミーなのかはさておき、とにかくおいしそうである。

次は味、七輪の醍醐味のひとつとして素材をダイレクトに楽むのに貝類はまさにそのままの姿。殻のまま焼いて殻のまま食べるのでダイレクトのひとこと。貝特有の「磯の味」こそ、貝類が出せる個性で、炭火で旨味が炙り出せる。

ただ、よく「ジャリっ」と貝の貯め込んだ砂を噛んでしまってトラウマになったり、これが苦手とするきっかけになった人もいると思う。貝類大好物な自分は、砂に関してそこまで神経質にならずそのまま食べてしまうが、決して心地よい食感でないのは確か。焼く前に砂抜きや、砂を含むところを水洗いすれば取り除けるので、嫌いになるくらいならやっておくべきだろう。

自分が食べた貝類について説明する。

サザエ

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蓋からぐつぐつと沸騰して泡がでてきたら食べごろ。あまり焼き過ぎると身が縮むのでおすすめしない。サザエはお刺身でも食べれるので、生きた状態ならそこまで良く焼くことに神経を使わなくてよいだろう。サザエは死ぬと一気に鮮度が落ちるので、賞味期限は当日のみ。スーパーで売られている状態はほぼ生きているので。ここでは生きていることが前提で話す。

サザエの先っちょの部分は苦くて磯の風味全開で自分は好物。しかし、これがサザエの嫌いな部分という人には、もったいないが切って捨てるか、好きな人にかじってもらおう。

あさり

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しっかり砂抜きをしよう。生きの良い状態なら30分ほどで砂抜きが完了する。焼いてすぐに開き始めるので個体は小さいが次々と食べては焼いて、手が止まらない。塩気が強く味も濃いのでお酒がすすむ。

大あさり

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閉じた貝の境目から包丁で二つにカット。ついでに砂の除去は、貝の外側にあるヒモの下によく貯め込んでいるので水で洗い流す。身をひっくり返す時に貝柱が引っ付いて身が崩れてがっかりしない為にあらかじめ切り離す。両面ぐつぐつしたら食べごろで、醤油やバターを入れる人もいるが、自分は何も付けない。あくまでダイレクトに拘る。日本酒との相性が抜群。

タイラ貝

国内で食べられる最大級の二枚貝。味はホタテに似ているとされるが、実際に焼いて食べてみると、、、固い、、、のひとこと。刺身で食べたらホタテに似ているかは分からないが、焼いて食べるのなら、バター等で味付けをしたほうがよさそうだ。

牡蠣

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好みによって焼き加減は様々。ただ注意したいのは、焼いている途中でよく爆発して中の汁がかかることと、焼けたとに殻を開ける際、軍手をするのは良いが、厚い出汁が染みこんだら最悪だ。決して手の上で割らず、網や皿の上で殻をあけよう。

牡蠣も特有の磯の味を出してくれる。よく剥いた状態で袋詰めで売っているが、磯の味が逃げたり薄まっていない最高の状態は殻の状態に限る。

岩牡蠣

牡蠣のキングと自分は呼んでいる。なかなか見かけないし、なんせ高価だ。食べ方は普通の牡蠣と変わらないが、時間とスペースを取られ、大きいからこそ沸騰まで時間がかかるし、厚みもあるので芯まで熱が届くのかが不安になる。

不安で時間をかけすぎると写真のように身が縮んでしまう。半生、もしくは生で食べてやるくらいの気持ちで焼いた方が美味しく頂ける。そして岩ガキの真骨頂は生に近ければ近いほど、ミルクのようなエキスが甘くて食べ応えがあるのだ。

ホヤ貝

ドラゴンフルーツ?イチジク?なんだか気持ち悪いけど、これは貝である。頭の二つの突起物をカットすると「ホヤ水」と言われる貯め込んだ海水と体液がたくさん出てくる。通は飲むらしい!!中身を取り出すと、剥きたてのマンゴーのようなみずみずしい身にびっくりするだろう。

刺身ではわさび醤油で食べたため、個性はかき消されてしまった。食感はとにかく柔らかい。しかし焼いて食べると甘くて酸味、ほのかな磯の余韻と、なんて個性的な味なんだと美味しさに感銘を受けた。

赤貝

寿司で身が切り開かれた状態しか見たことがないのがほとんどだろう。貝殻には毛ガニのような毛が生えているのが特徴。丸く厚みがあって網の上では安定しない。中身がサーモンピンクのような色で、焼くと赤身が消えてくる。

味はアサリとは違う磯の余韻があり、ホヤ貝のフルーティな塩気と微かな硫黄感がクセになる。値段は少し割高だが、珍しさと美味しさ、ホヤ貝ほどのクセや見た目も綺麗なので買ってみても後悔はしないだろう。

ニシ貝

イワニシとか、イボニシとか呼び方は様々。こんなに小さいが、濃厚な味と高価な値段に驚く。とくに最近は採れなくなっているようで高騰中。岩場にいるので砂は貯め込んでいないので、処理もなく一般的には塩ゆでが多いみたい。焼いての感想として、サザエの磯の風味と苦みを濃縮したおつまみ。

見は小さいが、口の中に思いっきり個性が苦く膨らんで、とにかくお酒に合う。値段と見合う高級嗜好品だと感じた。次見つけたら確実に購入するだろう。

はまぐり

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大アサリより小ぶりだが、サイズが良いと1個300円クラスの高級食材。しかし、値段に見合った味を出してくれる。クリーミーでライトな磯の味で、あさりや大あさりとはまた違った個性を出してくれる逸材。焼くときのコツは、はまぐりは海水をたくさん貯め込んでいるので、少し口が開いたときに傾けてどんどん海水を捨てよう。そうしないと、海水で蒸しているだけの焼き上がりになり、旨味が海水と一緒に逃げる。

ベビーホタテ

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値段も安くたまにしか見かけないので、売っていたらチャンス。大きいホタテを食らいつきたい人には物足りないが、お酒のアテとしてチビチビ楽しめる。アサリとちびちび焼いて食べるのと似た感覚だ。小さいが味はしっかりとホタテなんでお酒と手が止まらない。

ホタテ

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大きいホタテは貝類の中でもボリュームがあって噛みごたえ、食べ応えトップスラス。味付けなしに拘る自分が大きいサイズのホタテに関しては醤油やバターを投入する。大きいがゆえに汁がないと中まで焼けないのと、焼くまでの時間が長くて待ちきれないからだ。

ホタテは特に砂を貯め込むのと、ひっくり返す際の貝柱の貼り付きに注意。大あさり同様、貝殻を開くが、真っ二つな大あさりと違い、貝柱の付いた平らな面の殻に沿って包丁を入れる。そして、殻の外側びヒモの下の砂を洗い流そう。また、身についている緑の部分に磯の癖があるので苦手な人は切っておくと当たり障りないホタテの味を楽しめる。

自分の場合だが、面倒くさいので購入して殻が閉じた状態でそのまま焼き始める。しかし、大ハズレを引くとビックリするくらい砂が入っているので処理しとけばよかったと後悔するが、面倒くさいのでまた繰り返す。

あわび

一枚目はそのまま焼き、二枚目は肝をみじん切りにして上に乗せ、さらにバターを溶かす。たわしで磨いたり殻から外したり手間はかかるが、独特の食感がたまらない。見た目はサザエくらいインパクトがあるが、香りと味については貝類特有のクセがなく親しみやすい。砂も少ないし、最初に処理をするので大丈夫だ。食感については刺身ではコリコリと固く、焼くとまるで別物のように柔らかい。

最後に・・・

貝類に限らず海鮮物は、旬がある。毎回食べると飽きがくるし、旬が終わってまた食べたくなる時に旬がくる。第一、毎回安定して揃って出回っていると悩んでしまう。狙って欲しい時になかったり、運よく良い状態を発見した時の衝動買いもまた一興である。食材を探し求めている時間も七輪の楽しさだ。

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